断ち難き誘惑。

アタクシ。少々奇妙な癖がございまして。
いわゆる奇癖、ってヤツですか。そのまんまじゃん。

それは、騒がしいコドモを目にすると他愛もない
作り話で怖がらせたくなる、という些細な、
非常に些細なことなんですけど。

電車の中で隣の席に座るコドモが奇声を発して
おったりすると、瞬時に、ほーんと瞬く間に
作り話が浮かんできてシマイマス。

「キミキミ、どうしてここにいるオトナたちが
キミみたくおっきな声を出さないかわかるか？
それはな、そうやっておっきな声を出しておると
ふっといストロー持って、真っ黒なカッコした
おっちゃんが来てなぁ、そのストローでおっきな
声出してるヒトの腹にぷぅぅぅぅってたーんまり
空気を吹き込んでな、腹がこぉんくらい(と妊娠
30カ月ぐらいの妊婦の腹を手で示し)、ポッコリ
出っぱるまで一気に、あっという間に吹き込んで
いってしまうからなんねん。だから悪いこと
云わんから黙っとき。」

これを実行に移すには、これを語り終えてから
オヤゴさんとの間に流れるであろう、ビミョウな
空気に耐えられる、それと引き替えたいぐらい
コドモが騒々しい、という条件があるものの、
このオヤゴがコドモを叱らないままこの生き物が
騒ぐに任せている際にはかなりの割合で実行に
移しており。
　
　
　
おかげでコドモを持つ友人には、悪魔のように
忌み嫌われて、仕返しに「裂ける」「パチン」
「縫う」などの単語を伴った出産時の恐い話を
聞かされてしまうのデス......。
　
　
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............明日はお取引先の方がコドモを伴って
いらっしゃるとの情報が先程入りマシテ。

この奇癖が発動しないコトをただ祈るばかり。